私が06年11月に手に入れた音源の紹介です。
今月は32枚。前月の多さのせいで少なめです。
さすがに先月のは聴きこなすには時間かかりましたね。
●中村中/汚れた下着
実力派シンガー・ソングライターのデビュー作!というので聴いてみました。
DVDも付いていたしね。たしかに歌はお上手です。クセもあって面白い。
でもなか歌唱力とかそういうの以上に性同一性障害ということが取り上げられちゃったりして。
本人にとって、いいか悪いかわからないが、そういうひとなんだ、と思って歌詞を読むのも面白い。
そうでなくてもかっちょいいと思えるからすごいんだけど。
●Polaris/ Home
いい、いいと噂に聞いていたPolarisの1stフルアルバムを聴いてみる。
どうこう書くのに得意なジャンルじゃないけれど。全体的に心地良い。なんか切ない。
でも単なるポップスのアーティストではないんだなぁというのが曲の長さを見てもわかる。
10分超えが4曲も。だからこそ世界が広がるなぁ。
パッときき昔聴いていたフィッシュマンズあたりを思い出した。いや、これはいいね。
●くるり/ベスト オブくるり / Tower Of Music Lover
Polarisに続いてくるり。なんか疲れてるんじゃないか、僕、と不安になるけど体が求める。
くるりの初のベスト(らしい)。くるりはしっていても毎回アルバムは買えない僕なんかには
うってつけですね。全シングル17曲とレア音源という構成。レアなのかは知らないけど初収録系。
Polarisもそうですけど、ひさしぶりにあの曲が聴きたいではなく、あの世界に浸りたいと思わせる
アーティストが残るし、アーティストと呼ばれるんでしょうねぇ。
また僕みたいな他のジャンルをいつも聴いている人も聴いてしまうんですね。
●土岐麻子/Standards Gift: 土岐麻子ジャズを歌う
ソフトジャズ・カヴァー・アルバム『STANDARDSシリーズ』の第3弾。
いつもの通り、のびやかで暖かみのある声でスタンダードをカバー。
日だまりのある午後に聴きたくなります。日だまりとか言ってますが、
「Singin In the rain」から始まるんですけどね。他にも「Break out」、
「You make me feel brand new」、「ノルウェーの森」などなど。ごきげん。
●Ramrider/Portable Disco 8bit Edition
1stアルバム『Portable Disco』をピコピコサウンドでめしあがれ的アルバム。
いうなれば“チップチューン”ですな。あの8bitのファアミコンで聴いていたピコピコサウンド。
YMCK、Covoxなどこっち系では有名な方々も参加。
個人的ツボは「ミラーボール (by Far East Recording)」。元のメロを残しつつ、
なんの曲かどうしてもでてこないけどそのメロをかぶせてて。はまり具合といい、
もう泣けてきます。おろろろ。この被せメロ教えてください。ってか有名だよ〜。
●キリンジ /Dodecagon
キリンジとしては前作から3年ぶりとなるアルバム。
プロデューサー"冨田恵一"の手を離れ、セルフプロデュースに挑戦ということが
話題になっていたりしましたが、当然もろキリンジです。そして悪い訳がない。
●Akakage/ Fighissima
オシャレでかっこいいです。馬鹿みたいな言い方ですけど。
FPMとかFree Tempoなんかよりトゲを感じて単なるオシャレでなく、悪いにおいがしていい。
Brand NubianのメンバーであるSadat-xが参加してるあたりが個人的ツボか。
●Clazziquai Project/Instant Pig
韓国版M-floって認識が会っているのかはわかりませんが、音的にはそんなかんじ。
FPMやm-floなんか絡んでいれうグループというのも頷けます。いささかまとまりすぎか。
●Clazziquai Project/Color Your Soul
でもって2nd。実に聴きやすい。K-popも普通に洋楽として聴けるようになったことが
彼らと触れての一番の驚きか。
●Jazzida Grande/Cuore
Star Fruites RecordsのJazzida Grande。プロデュースにBayak(かっこいい!)の
Mitsuru Enomotoを前作同様据えての新作。一言で言うとクラブ・ジャズ、ラウンジ系ってことに
なるんでしょうか。こうやって書くとはは〜ん、そっち系ね、と言われそうですが、
言葉で区別化するなら上品なポップさといったところでしょうか。ハウス、ジャズ、ブラジルなどを
消化した〜とかも読み飽きたレビューですよね。
●Jazzida Grande/ Jazzida Grande
上記の1st。オシャレだ。そんなくくり方もどうかと思うが。ほどよい四つ打ち感もきもちいい。
個人的おすすめは"ONE FOR ME"、"MINOR PLANETS"です。
●コーネリアス/Sensuous
いい意味でオタクですね。音の作り方や、素材の整合性とか。
山本タカアキ氏に「ヘッドフォンできくとすごい」といわれたので試してみましたが、すごい。
ここ最近のかれの作品を追っていなかったので正直驚いたところもあったのですが、
ポップスの進化形としてすばらしいと思う。こうやって独自の聴き方をもとめてくる作品は
商品と呼ぶよりあくまで作品だ。
●Fantastic Plastic Machine/Imaginations
既に日本のクラブミュージックの御大という感もあるFPM。この作品はなんかの過渡期という感じ
なのでしょうか。今まで通り、キャッチーでポップで、きらびやかで、と枠の中でははまって
いるのでが、グッとくる部分が少ない。ちょっと飽きが早かったかな。
●SLY MONGOOSE/ Tip Of The Tongue State
2ndアルバム。独特のサウンドワークとリズム。ゲストにスチャダラパー、ロボ宙がいたので
手に取った一枚ですが、なかなかです。オシャレと思いきやかなり臭みが強く、煮込みなかんじ。
単純なオシャレなラウンジみたいのとは強く一線をひいてます。
●Tower Of Power/ Back To Oakland
74年の通算4枚目。JBほど黒くうねらないけど、最高のブラスとリズムセクション。ファンクだ。

でも今回ここで書きたいのはブラスのノリ、躍動感というみんながイメージとして知っていること
でなく、「Time Will Tell」や「Just When We Start Makin' It」等のバラード。美しすぎます。
ブラスバラードの最高傑作では?
●KING 3LDK/Seven Samurai's
いかがわしい。いい意味で。実にアングラ感が強い。なんかこう日本の土着感といいますか、
見ちゃいけないもん見ちゃった感じ?講談社とか集英社じゃなくて、秋田書店というか。青林堂か。
昭和の古本屋の種分けされてないワゴンといいますか。普通にHIPHOP好きだからといって
好きになれるものでもなく、音楽好きだからといって好きになれる一枚でもなく、
全く独自の世界なり。
●Rip Slyme/ Epoch
DJ Fumiyaが本格復活したRip Slyme。「Hot Chocolate」、くるりとの「ラヴぃ」なんかが
入っております。安定感はあるものの、少し飽きてきちゃったかなぁ。「らしい」し、
かっこいいとは思うんだけど、おおおっというPOPと切り捨てるにはもったいないHIPHOPの進化を
もっと期待してしまいます。スチャの参加は嬉しかった。FG勢とのコラボは初めてだと思います。
●Uzi/美髯公
UZIの3枚目。私的には彼の中のベストか。キャラ立ちもいいし、好きなMCだけに
もっともっと出てきてほしい。やはり男臭い感じ、いや漢臭い感じが
いまいち受け入れられないのかなぁ。まぁ受けいられるって言うのがどういう事なのかって言うのは
あるんだけど。次はおもいっきり暗くて重めのドープなワンループものが多いアルバムを
聴いてみたい。絶対かっこいいと思うんだけど。特に今の時期に。
●Night Camp Click/Blood Sugar Sex Camp
Night Camp Clickが待望の1stアルバム。ブッダブランドのNIPPSが電撃加入が話題か。
なかなかいかれた7MC、1DJ。NITROあたりが好きな人にはおすすめ。ある意味まとまってきた
感のあるNITROよりもより猥雑でヤバい感じが漂ってます。トラックも荒くもジャジーでアルバム
通して統一感がある。「Night Symphony」はマイクリレー、トラックともに文句なしにかっこいい。
●竹中直人 / ワタナベイビー/今夜はブギーバック
「今夜はブギーバック」ときけばなんでも集めてしまう僕ですが、まぁ企画ものですよね。
二人ともスチャとは親交があるからこういうメンツになったとは思いますが。
ワタナベイビーの声が生理的に受け付けない僕としてはいまいちなカバー。
●Gagle ガグル/Pound For Pound
GaglelがいるJazzy SportからHip Hopコンピ。う〜〜ん良質のHIPHOP。
JAZZY SPORTらしいJAZZYなビートが満載です。CMにも使われていたなぁ。
にしてもあらためてMITSU THE BEATSは世界基準超えてる。
●MABO/デラコスタ
Macka-ChinとDABOのコンビ、MABOのアルバム。個人的にこの二人の声の相性はすばらしいと
思っているので、嬉しい作品。DABOの低音とMackachinの高音。それだけでも結構楽しい。
沖縄録音らしくどこかリラックス。トラックはすべてMacka-Chinがプロデュース。
ネタ感はあるもののメロディーを口ずさみづらくアブストラクト感強い特徴的なトラック。
よくも悪くもさらっと聴ける。NITROからのユニットとしては上位ランキング作品か。
●Dev Large/album
待ちに待った一枚。ブッダのDev LargeことD.L。彼のソロアルバムが遂に届いた。
優れたラッパーとして、優れたトラックメイカーとして楽しみな一枚。内容は...黒いですなぁ。
彼ならではのグルーヴに満ち満ちた自信作。派手だけど、渋い。ゲストも渋い。
捨て曲なしですよ。日本のHIPHOPのかっこよさ、を感じたいのであればぜひこの一枚ではない
でしょうか。あ、できれば下にあるSDPのとセットとかで聴くのがよりお勧めです。
きっとあとあとも残っていく一枚のような気がします。そう考えると最後の1曲が蛇足かな。
●Momentan/So Far, So Good
ドイツのヒップホップ・グループMomentanの1st。とにかく暖か。メロウ。心地よい。
でも心地よすぎてアルバムと押して聴くとすこし飽きちゃうかなぁ。
もう少しバラエティ感があると嬉しい。でも逆に言えばアルバムとしてのまとまりはいいんだけど。
「Es Geht Mir Gut」あたりがソウルフルな感じも強めで好き。
フレンチRAPよりもドイツ語の方が音感が好きです。
●Ty/ Closer
イギリスからTY。あまり知らなかったんですが、僕のHIPHOPアイコン、De La Soulが
参加していたので購入。なかなかの安定感。オールドスクールを独自に消化した感じか。
「Sweating For Your Salary」「This Here Music」「What You Want (Taylormade)」あたりが
おすすめ。派手さは無いけど良質です。
●Outkast/Big Boi & Dre Present
アウトキャストのベスト・アルバム。デビュー曲「Player's Ball」から「Ms.Jackson」まで
いろいろと網羅しております。今までまったく彼らをノーチェックで来たので、ここらで
勉強してみようかと。グラミー取るくらいなのに聴いてなかったです。で。王道感がありますねぇ。
主流なんだけど癖が強い。すこしロックの香りも強いか。ほどよい下世話感も味。
●PANDA,NO PANDA/IMAGI ROCKS
PANDA,NO PANDA。全く知らなかったのですが、手に取ってみました。
ジャンル分け不能な感じです。HIPHOPのコーナーにあったけど。
全編あげあげのパーティートラックが満載。時にボサ、時にロック。ごちゃごちゃとかわいく
愉快な感じはジャケ通り。なんかポップなアメリカ雑貨の店においてそうな一枚。
●Braille/Box Of Rhymes
LightheadedのBrailleの2枚目。これ日本人好みだよね〜〜。最初の「This Year」から
「Pour It Out」なんか切なくて、かっこよくて....繊細。と思いきや、アタックの強い
「I Wouldn't Do It 」なんかもあり、バラエティに富んでます。ゲストもSpeech、Lightheaded、Procussionsなどこれまた日本人好みのメンツが集合。日本盤ボーナストラックにはこれまた
日本人の琴線に触れちゃうCount Bass Dの曲も。何回も聴けちゃう良盤。
●Ed O.G. & Da Bulldogs/Roxbury 02119
最近のリイシューブームのおかげか2ndが発売。間違いない一枚。D.I.T.C.のダイアモンドが
参加しており、ドープに仕上がってます。いや〜D.I.T.C.好きの僕なんかはトラックだけでも買い。
ジャズネタも多く使用されています。最近のメローなジャズHIPHJOPよりもこういうのが好き。
ドス黒いグルーヴにやられちゃいますよ。
●Showbiz & Ag/Runnaway Slave
フロムD.I.T.C.、Showbiz & AGが92年に放った1stアルバムが再発。もうそんなに昔なのね。
HOPHOPクラシックと名高い"Soul Clap"(ベースラインヤバイ)、"Fat Pockets" から、
Diamond Dとの"Still Diggin'"、Big LとLord Finesseとの"Represent"などD.I.T.C.を満喫でき
ちゃいます。とにかくベースラインの気持ちよさに酔える傑作。頭バンバン振って聴きましょう。
●llmatic Buddha Mc's / スチャダラパー/Top Of Tokyo / Tt2 オワリのうた
井上三太作「Tokyo Tribe2」のアニメ版のオープニングとエンディング。
ある意味日本のHIPHOPの我が道を行く横綱同士の2曲。Buddhaのは評判イマイチのようだけど、
僕は大好き。あたまのコーラスから「クル」って感じで。
久しぶりに3人が揃ってる感動を差し引いてもすばらしい。
SDPの方は、下のアルバムに入っている「5 cups」と同じリリックのトラック違い。
こっちも切なくやるせない。なんてすばらしい2曲なんでしょう。
HIPHOPのかっこよさも気持ちよさも、体感できます。
サグだのハーコーだのストリートだのいろいろありますけど、
HIPHOPって僕に取ってはこういう感じ。夏になったら、また聴きまくる。
●スチャダラパー/Con10po
前作から2年半ぶりとなるアルバム。今度は早かったね。シングルで「Disco System」聴いた時は、
どこに向かうのかと思っておりましたが(PVオモシロイ)、やっぱスチャはスチャ。
「マニュアル」からやられました。全体的な印象は薄味、サウンド的にはエレクトロ〜オールド
スクールといったところ。音数が少ない中でバランスを取っている分、リリックがたってます。
彼らのベストととは思わないし、これが初めてのスチャダラの人には難しい気もしますが、
新しいことをよくもこうもやってくれるなと嬉しくなる。SDPにはずれなし。
勝手な印象ですが、DE LA SOULが「Art Official Intelligence」を作った感じなのかなぁ。